山下和仁

主よ人の望みの喜びよ

LP時代から合わせてCDアルバムを70点以上も発表していることからわかるように、広大なレパートリーを持つ山下和仁。

1961年、長崎市生まれ、8際より父、山下亨にギターを師事。16歳で、パリ国際ギターコンクールなど3つの主要国際コンクールで、史上最年少第1位。自身の編曲による「展覧会の絵/ムソルグスキー」(ドイツレコード賞受賞)や「J.S.バッハ無伴奏ヴァイオリンソナタ&パルティータ、チェロ、フルート、リュート組曲BWV995-1013」全曲のギター版などは特に名高く、特殊な技法を併せて前人未到の域を示した。
 
かたわら「アランフェス協奏曲」「F.ソル:ギター曲全集(16CDs)」「H.ヴィラロボス:12の練習曲と5つのエチュード」「M.カステルヌオーヴォ=テデスコ:24のゴヤのカプリチョス」など、ギター本来のレパートリーにも熱演が多い。ウィーン・ムジークフェライン大ホール、ニューヨーク・リンカーンセンターほか各地でのソロリサイタルの他、数々の世界的指揮者やオーケストラまたソリストたちとの共演も含めヨーロッパ、アメリカ、アジア各地での公演は数多く、1984年トロント国際ギターフェスティヴァルでセンセーションを招いて以来、名声は国際的にもすでに不動。世界各地の国際ギターフェスティバルにクラシックギターの雄として、毎年のように招待されており、2004年のローマ国際ギターフェスティバルを皮切りに長女とのデュオ、長男・次女を加えたカルテットとしての活動もスタートしている。
国内外の同時代の作曲家たちの新作委嘱初演にも意欲的だが、特に藤家溪子の作品については、代表作「ギター・ソナタ第1番『青い花』」をはじめ、2つのギター協奏曲、ギターが重要な役割を担うモノローグオペラ「蝋の女」「赤い凪」、ギターと合唱のための「山羊脚マルシャスの物語」など、多数初演している。
CD≪黎明期の日本ギター曲集≫で平成11年度文化庁芸術祭大賞を受賞。